目が覚めたら病院だった
お医者さんが「○○さん分かりますかーー？事故に遇われたんですよー？」って言われた
俺は顔面に強い衝撃があって、首にチューブが貫通して口の中が針金だらけの状態で喋る事も出来なかった
お医者さんが「お母さんもきてますよー？」って言ったらオドオドと母親が歩いてこっちに来た
どんな状況か意味も分からなかったけど号泣した
看護師さんが「嬉しくて泣いてるんでしょうねえきっと」って言っていた
そこから俺の長い入院生活ははじまった

集中治療室の中にいた時の記憶は実はあまりない
ご飯も当然食べれないからチューブだし、排尿もチューブ、喋れないし意思疎通もできない
自分が人間である事も忘れてただただ指示に従った
徐々に意識がしっかりしてきて仕事はどうなってるんだ？って事がすごく気になってやばかった
親が「会社には電話してあるから心配するな」「社長さんとも電話したらゆっくり治して下さいって言われた」と聞いた
「（ゆっくり治せ？俺は見捨てられたのか？）」
そんな不安から俺は一刻もはやく会社と連絡を取りたかった
だけど集中治療室ではスマホなどの電波が出るものの持ち込みは禁止されていたから何もできなかった

集中治療室から医者の所に行くために車いすで移動する事があったんだが
その車いすの移動中に親からスマホを借りて社長にラインを送った
社長と俺は一緒によく釣りにいくぐらい仲が良かったからラインも知っていたんだ

俺「ご迷惑お掛けしまして申し訳ございません、今集中治療室から少し出れたので連絡しています」
社長「大変だったな、どれ位入院する予定なんだ？」
俺「今はっきりとは言われてないですが短くても３か月はかかると言われています」
社長「喋る事もできないのか？」
俺「口の中が金属で固定されていて喋れないです」

そんなやり取りをしていて涙が出る位に嬉しかった、俺はまだ捨てられていないって思ったからだ
早く治して仕事に戻りたい！そんな前向きな気持ちで俺は早く退院したい！と思ってリハビリを頑張りに頑張った

集中治療室から出れる事になって一般病棟にうつることになった
そこは６人部屋だった
一般病棟ではスマホも使えるしテレビも見れる、それにもう少ししたら首のホースを抜いて喋れるようになるって言われた
嬉しかった、俺はホワイトボードのようなもので文字を書いて皆とやり取りをしていたんだがこれがストレスがたまる
一度ストレスが頂点を超えてホワイトボードの文字で親に対して酷くあたってしまった事があった、これは反省したいな

だけどこの一般病棟は天国だった、今まで集中治療室で何もする事が出来なかった俺はスマホを使ってアニメをみるようになった
本当にこのアニメ視聴というものが楽しくて楽しくて
「魔法科高校の劣等生」→「オーバーロード」→「このすば」　楽しかった、見ているだけで時間が潰れるのがうれしかった
正直朝や昼に寝てしまうと夜起きてないといけない、夜に眠れないってのは本当に辛いんだ
それは腕が痛むから、その痛みが辛すぎて死にそうになる位痛いから朝や昼は必死に起きてないといけなかった

朝早くに医者がゾロゾロと俺の部屋にきた
ホースを抜くって言われた、寝ぼけながらホースを抜かれた
お医者さんに「もう喋れますよ」って言われた
半信半疑で喋ったら喋れた！！！凄いなんだこれ！！って感覚だった
ノドに穴が開いて空気がヒューヒュー漏れるから手でノドを抑えながら喋った、やった！！早く社長に電話しないと！って思った
毎日来てくれる母と父も俺が喋りだしてるから凄い驚いて喜んでた
楽しかった、１日１日出来る事がどんどん増えていってる
こんな事故を起こしたけど今から思うとこの日々はとても素晴らしき日々だったと思う

社長に電話した

俺「一般病棟にうつりました」
社長「ほんとか！久々に良い報告が聞けて良かったよ」
社長「だけど何喋ってるかよくわからんぞｗｗ」

喉に手を当てても俺の声は喉から空気が漏れて酷く聞こえにくくなっていた
それに対して社長は笑っていた、俺も嬉しかった
そしてリハビリの進捗とかを話した

そしてアニメを見て、リハビリをして、を繰り返した
いつのまにかご飯も食べれるようになっていた
だけど病院食は全てがミキサーでグチャグチャになっていてまずかったし味が薄かった
俺は口を大きくあける事が出来なくなっていたのでそんなグチャグチャしか食べられなかったけど嬉しかった
それに水とかジュースを好きに飲んでもいいってなって幸せだった
俺の人生で一番幸せな時だった

入院中に一番親と大喧嘩したのが　俺がタバコを吸いたい　と主張したこと
これは親がガチギレした、そして俺もガチギレした
どうしてもタバコを吸いたくて　財布だけでもいいから持って来てくれ！　と言ったが断わられた

まぁそんなやり取りをしながら俺は２カ月ちょっとで退院した、そこから１か月実家でリハビリをした

会社に戻った、ここからは辛い日々の始まりだからざっくり言うが俺は前と同じ様に働けなくなっていた
最初は優しかった皆がどんどん厳しくなっていって、現在俺は仕事をやめようと考えている

終わりだ…

>>22
いや俺のスマホね
バイクで事故ったがスマホは無事だった
何故かヘルメットは消失していた、どこにいったのやら

>>24
そこは全然楽しくないよ
脳の打撲（脳挫傷）のせいで記憶が抜け落ちてたりして仕事の細かい事とか忘れちゃっててさ
ま、仕事出来ない人間になっちまったって感じ、事故のせいで運転もできんし

>>26
あるよー？
高次機能障害と片目失明

>>29
>>30
いや、片目失明だと手帳はもらえないのよ
だから普通に働かないと生きていけないね

事故って一番嬉しかった言葉がある

仕事先のお客「事故大変でしたね」
俺「はは……後遺症あるんですがね…」
仕事先のお客「贅沢言っちゃいけないですよ？生きてるだけで幸運だったと思います」

この言葉で>>29の言った　生きてるだけで儲けもの　って考えが俺の生きる哲学になったな

>>34
話したら病気のせいにすんな、病気だとしてもそれにフォロー入れる働き方をしないのが悪い　って言われたな
ごもっともだわ、会社は親でもないしそんな温情はないわ
病気だからってヌルい仕事は許されんわ

一般病棟にうつってテレビをつけたら京アニ事件とか宮迫の事件ばっかやってたな～